top of page

8分の6拍子とポリリズム

学校では、8分の6拍子は以下のように教わります。これは、8分の6拍子は2拍子が、8分の9拍子は3拍子が、8分の12拍子は4拍子が、それぞれ3連符化したものだという考え方ですが、実際にはそう単純ではありません。

6-8-classic-2.jpg

高音部のアクセントはメロディのパターンに依存して4分の3拍子的になることもありますし、特に低音部は付点四分音符二打のように2拍子的になるとは限りません。例えば、『海の見える街』では以下のように5拍目・6拍目にアクセントがありますし、『灰色の瞳』などの南米の曲では後述するように4分の3拍子相当と多彩です。8分の6拍子は6拍を自由に使える『6拍子』なのです。

6-8-jh.jpg

南米の8分の6拍子:
南米の音楽にはよく8分の6拍子が使われますが、そのリズムは根本的に異なります。
参考:リズムで旅するアルゼンチン音楽(中央部編)(レオナルド・ブラーボ)

南米には広い範囲に以下のような基本リズムがあります。
高音部が2拍子で低音部が3拍子のポリリズム(polyrhythm)です。高い音のパーカッションが2拍子で低い音のパーカッションが3拍子というのが起源のようです。ギターの胴打ちで、側面と表面の音の高低を使って打ってみると雰囲気がつかめるかと思います。

6-8-sa-0.jpg

このリズムを基本に、カルナバル、チャカレーラ、サンバ(Zamba:ブラジルのSambaとは別物です)など様々なバリエーションがあり、ヨーロッパからギターやハープ(アルパとして定着)が伝わると、それらの奏法にも取り入れられました。

サンバ(Zamba)の基本リズム:

​ゆっくりとしたリズムで、ギターではストローク(ストロークの方向や指使いには諸種あり)を用いて以下のように弾きます。()付きの音符が基本リズムに付加された音で、他にも小節の偶奇で崩し方を変えるなど種々のバリエーションがあります。サンバの曲でも『アルフォンシーナと海』や『トゥクマンの月』に見られるようにコードの変わり目が中央にある小節などは低音部も二打になる場合もあります。

6-8-zamba.jpg

しかし、このストローク奏法は慣れないと難しいので、リズムの骨子はそのままにクラシック・ギターの一般的な奏法に寄せて以下のようなパターンを使うようにしています。
​​コード名を併記してありますので、ストロークで弾いていただいても良いです。

6-8-s3.jpg
6-8-s4.jpg

© 2025 Terry A / Since Jun. 6, 2025

bottom of page